中古マンション売却や購入の相場価格を調べる|使いやすい優良サイト7選

中古マンション売却や購入の相場価格を調べる|使いやすい優良サイト7選

マンションの相場を調べる方法は、不動産会社へ見積もりを依頼するだけではありません。

パソコンやスマートフォンとネット環境さえあれば、無料で会員登録もせずにおおよその相場を知ることができます。

ただし、参照するデータの性質や相場との乖離幅が異なるため、正確に相場を把握するにはその特性を理解して利用することが大切です。

この記事では、マンション相場を簡単に分かる方法をお探しの方へ、相場が分かるサイトや利用方法について解説しています。ぜひマンション相場の調査方法を理解して試してみてください。

サイトから相場を調べる際に難しい計算は必要ですか?

いえ、表示される取引事例やサイト側が計算した相場金額を利用するだけで、計算はありません。

相場が分かればマンション売り出し価格も同じ金額にすればよいですか?

いえ、相場と売り出し価格は異なるため、売り出し価格は不動産会社へご相談ください。

目次

マンション相場に影響を与えるものとは?

マンション相場とは、その時期に対象マンションがおおむね売れるであろう価格のことです。

そして、中古マンションの相場は下記のような要因に影響を受けて刻々と変動します。

  • 類似エリアに建つ新築マンションの売却価格
  • 競合する中古マンションの現在の売却価格
  • 対象マンションが建つエリアの人気(需要)
  • 競合する中古マンションの販売数(供給)

それぞれの要因について簡単に解説します。

まずは、対象マンションと類似するエリア(同じ学校区または電車の沿線は異なるが勤務先への所要時間が同じなど)にある新築マンションの販売価格が、絶対的な上限になります。

新築マンションと中古マンションが同じ価格なら新築マンションを購入する方が多いはずであり、新築マンションと条件が類似する中古マンション価格が、新築マンション価格を超えることはまずないからです。

そして、競合する中古マンションとの売却価格の比較においても、同様の立地・スペックのマンション同士なら、価格が安いほうから売れていきます。

また、人気地区に建つマンションなら他のエリアより価格は高くなりますが、同時期に類似のマンションがたくさん売り出されていれば価格は安くなるでしょう。

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マンション相場は取引事例の影響が大きい

中古マンションの売り出し価格は、一般的には類似する中古マンションの過去の取引事例を参考に、現在売却中の競合物件の数や売却価格など、ライバル物件の動向を考慮して設定されます。

中古マンションは、ほとんどの場合に築年数が経つにつれて価格が下落していく傾向にあるため、過去の取引事例を上限価格と見なして設定することがほとんどです。

そのため、安い価格で成約した前例ができてしまうと、今後はその安い取引事例が基準となって相場が一気に値崩れを起こすこともあります。

一方で、ステータスが高い人気地区や駅直結のような超駅近、またはランドマーク的有名マンションの場合には、築年数に関わらず高額になることがあります。

また、昨今の新築マンション価格高騰の影響で中古マンション価格も上昇しており、新築時の売り出し価格よりも中古の売却価格のほうが高額になるケースは少なくありません。

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マンション相場は時期やエリアなどの事情で変動する

マンション相場は、売却する時期や類似エリア内で起こる事情によっても影響を受けます。

例えば、中古マンションがもっともたくさん売れる春の異動時期には、優良な中古マンションの争奪戦になるため、少々価格が高くても売れる場合があります。

しかし、4月になると急激に中古マンションの需要が減ってしまうため、少ない買主を巡って安値競争になるのは避けられません。

さらに、同時期に競合する中古マンションがたくさん売りに出ていれば、価格競争は避けられず大幅に値段を下げて何とか売り抜けるという状況になるのです。

なお、マンション相場を正確に知るためには、不動産会社に売却価格を見積もりしてもらうのがもっともよい方法です。

しかし、依頼する不動産会社はどこでもよいわけではありません。マンション相場の見積もりをとる際の注意点やポイントにつきましては、こちらの記事をご覧ください。

マンション売却で高値を引き出す方法は〇〇?相場動向を理解して賢く売る方法とは?

サイトでマンションの相場を調べるメリット・デメリット

マンション相場は不動産会社に見積もりをしなくても自分で調べる方法があります。▶

それは、パソコンやスマートフォンなどを使って、下記の2種類のインターネットサイトで調べる方法です。

  • 買主が中古マンション探しをする不動産ポータルサイト
  • 国土交通省や不動産流通機構が運営する成約事例データベース

これらのサイトは、個人情報を送信して会員登録する必要がなく、料金は無料で24時間いつでも利用できます。

メリット

インターネットサイトを使ってマンション相場を調べる方法は、下記のようなメリットがあります。

  • ネット環境とスマートフォンなどがあれば自分のペースでできる
  • マンション相場の目安であれば簡単な操作で調べられる
  • マンション名・最寄り駅・地域・間取り・築年数・価格帯などで絞り込める
  • 地域と相場価格の関係が分かる(人気地区・人気路線・学校区など)

これらのサイトは、一般的なスペックのパソコンやスマートフォンとネット環境さえあれば利用でき、わざわざ休日に半日を使って不動産会社へ出向くことなく、自分のペースで調べられます。

そして、利用方法は画面の指示に従って順番に条件の絞り込み操作をして、最後に検索ボタンを押すだけでよく、とても簡単です。

さらに、絞り込みたいマンションの条件を指定すれば、目的に沿った内容の検索結果が一瞬で得られます。

この簡易調査で地域とマンション相場の関係が理解できれば、購入対象エリアがまだ決まっていない場合の候補地探しにも応用ができます。

仲介と買取り、どちらが得?マンション売却時のメリット・デメリットを調査してみた結果…

デメリット

インターネットサイトを使ってマンション相場を調べる方法は下記のようなデメリットもあります。

  • 住宅ニーズが低い地域は取引事例が少ないなど、データの絶対量に地域差がある 
  • 成約事例以降に相場が急落している場合もあり、必ずしも相場とは見なせない
  • 劣化がひどい・売り急いでいた・ライバル物件多かったなどの個別の事情は分からない

対象マンションの立地エリアが郊外など、マンションの数が少なく盛んに取引されることもなければ取引事例のストックが少ないなど、検索する地域によって情報の量に差があります。

また、成約事例はその時点までのマンション相場との推測にしかならず、それ以降に未登録の格安な取引事例があるなら、相場はさらに安値になっているでしょう。

しかも、下記のような当時の取引の事情は取引事例から読み取ることができない点にも注意が必要です。

  • 売主が売り急いでいて格安を承知で売却した
  • 部屋がひどく劣化していて状態が悪かった
  • ライバル物件が多く安値競争での売却だった
  • 希望学校区の物件なので高額だが購入した

これらの取引時の状況は取引に関わった不動産会社にしか分からず、第3者に公開できないこともたくさんあるため、あとから調べるのは困難です。

したがって、取引事例はあくまで取引された「金額のみの事実」だということを理解しておきましょう。

マンション相場が上がっているのは本当ですか?

はい、新築マンション価格の上昇に合わせて中古マンションが上がっているエリアもあります。

相場が上がっているなら購入金額より高い金額で売り出しても売れますか?

いえ、そうとは限りません。類似のライバル物件の価格よりも大幅に高く設定すれば売るのは難しいでしょう。

マンションの相場が分かるサイト|マンションポータルサイト5選

買主が購入するマンションを探すための不動産ポータルサイトは、利用者が多いほうが広告効果が高いため、多くの不動産会社がたくさんのマンションを登録しています。

どのポータルサイトも詳細な条件で絞り込む検索機能を備えているため、対象マンションと類似する条件を簡単な操作で設定して調べられます。

なお、ポータルサイトには掲載せずに不動産会社の自社サイトにだけ掲載しているケースもありますので、余裕があればポータルサイトと併せて自社サイトも見るとよいでしょう。

それでは、利用者や物件情報数が多いとされる5つの不動産ポータルサイトをご紹介します。

スーモ

引用:スーモ(SUUMO)

まずは、リクルートが運営する「スーモ(SUUMO)」です。

不動産ポータルサイト最大手という安心感と最多物件登録数を誇り、国内でもっとも認知されているポータルサイトといえるでしょう。

住まいに関する幅広い知識として「住まいのお役立ちノウハウ」や「はじめてガイド」など、丁寧に分かりやすく解説されているため、初めてのマイホーム購入やマイホーム探しのサポートに活用できます。

【PR】株式会社リクルート

at home

引用:at home

賃貸のイメージが強い「athome」ですが売買に関しても大手サイトの1つです。

見やすいグラフや表による「価格相場から中古マンションを探す」の機能が見やすくできています。

対象エリアの大まかな相場やエリア間の相場の違いが面積や間取りから調べられて、そこから物件一覧へ飛べるため、検索時間が大幅に短縮されるでしょう。

ホームズ

引用:LIFULL HOME’S

ライフルホームズ(以前のホームズから名称変更)が運営するサイトで、以前から全国の相場データには力を入れている企業です。

なお、マップ上にマンションの参考価格がプロットされている「プライスマップ」と、過去に掲載した情報が残された「不動産アーカイブ」というデータベースの2つが特に秀逸です。

【2024年最新!】投資用ワンルームマンションを相場価格で売却するコツや注意点を解説

HOME4U

引用:HOME4U

NTTグループが運営するサイトで、幅広い種類の不動産を扱い一括査定サービスにも力を入れています。

マンションを売却する際に知っておきたいトピックが集められた「売却の失敗談・成功談」や「不動産売却成功の秘訣」は、読み物として楽しみながら知識も増やせます。

yahoo!不動産

引用:Yahoo!不動産

検索・ニュースサイトとして有名なYahoo!は、古くから不動産を扱う歴史あるポータルサイトでもあります。

Yahoo!ファミリーでありソフトバンク系列ということもあって、Yahoo!ショッピング・PayPay・ヤフーの住宅ローンなどとの連携したサービスやキャンペーンが多いのが特徴です。

マンションの相場が分かるサイト|取引事例のデータベースサイト

マンションの相場が分かる取引事例のデータベースサイトのなかには、国土交通省など公的機関が運営しているものと民間企業が運営するものがあります。

これらは、不動産会社がマンションの見積もり(売却査定)の際に、過去の取引事例や取引価格の変遷の根拠として利用するなど、プロ仕様の詳細なデータベースです。

REINS

引用:レインズ・マーケット・インフォメーション

レインズとは、全国に4つある公益財団法人の不動産流通機構が運営するサイトで、全国の会員(不動産事業者に限る)が全国で売却されている物件情報を自由に閲覧できるシステムです。

売主側の仲介業務を行った不動産会社は、不動産の決済が終わったあとの売却結果をレインズに登録する義務に基づいて、価格などを登録します。

一般の方が利用できるものは「レインズ・マーケット・インフォメーション」といって、不動産会社が登録した売却結果が蓄積されたデータベースを閲覧するのみの利用です。

ただし、閲覧するのみではあるものの実際に売却された金額や直近1年の価格分布が視覚的に見られるため、おおよその相場を把握するのに大変利用価値の高いサイトといえます。

土地総合情報システム

引用:土地総合情報システム

土地総合情報システムは国土交通省が運営するサイトで、法務局から不動産の新所有者に対して任意のアンケートを送り、返信があった回答に基づいて不動産取引の情報を集積していくシステムです。

この調査の回答は任意であり、また回答を信用してデータが作られます。

そのため、実際の取引数より登録件数が少なく、誤った購入価格を回答している可能性はあるものの、貴重な取引事例のデータベースです。

個人を特定するほど詳細な情報は掲載されていませんが、不動産の掲載内容はかなり詳しいため、相場分析には大変役に立つサイトといえます。

ウチノカチ

引用:ウチノカチ

ウチノカチとは、国土交通省や不動産流通機構の過去データをもとに独自のアルゴリズムで計算した相場価格を計算し、不動産の「価格計算」「相場グラフ」「取引データ」「相場推移」が簡単な操作で視覚的に分かるサービスです。

相場計算のもとになるデータは、不動産流通機構(レインズ)と国土交通省(任意アンケート)を引用しています。

前述の2サイトと異なる点は、過去の取引実績に基づく独自の解釈で相場価格を計算し、多角的な分析データを併せて提供している点です。

マンション相場の分析に関して、別視点を学びたい場合には有効なサイトです。

マンションマーケット

引用:マンションマーケット

マンションマーケットは関東圏に限定したサービスで、指定したエリアに建つマンションごとの参考相場価格と㎡単価を、幅を持たせた価格帯(1,000〜1,030万円など)として提示してくれます。

そして、住環境を知るうえで大変使いやすい機能は、マンションごとの所在・築年数・総戸数・階層・管理形態などのマンションの概要や、近隣の生活施設(銀行・コンビニ・スーパー・公園・学校・病院など)の詳細な紹介です。

マンション相場とともに居住環境を知るのには有用なサイトといえます。

東京カンテイ

引用:東京カンテイ

東京カンテイとは、1979年から蓄積し続けている全国のマンションと土地の膨大なデータを誇る、データベースおよび鑑定評価サービスです。

新たに登録されたマンションは調査員が現地を目で見て確認するなど、正確な情報の取得をモットーとしており、不動産会社をはじめ企業や金融機関の売却査定や担保査定評価の根拠として利用されています。

査定評価の依頼にわずか数分で回答できる高いレベルのサービスですが、いずれも不動産やその周辺業界の法人向けの有料会員制サービスであり、個人が無料で使用できない点にご注意ください。

サイトによって相場価格が違うのはなぜですか?

どの物件のデータを類似物件と判断するかによってサンプルデータが異なるため、全く同じにはなりません。

どちらのサイトが本当の相場なのかを判断する方法はありますか?

相場は流動的なもので影響を受ける事象がたくさんあります。どちらが正解かは売り出してみないと分かりません。

サイトで調べたマンションの相場情報を利用する際の注意点

サイトに掲載された情報の性質によって、情報を利用する際に注意すべき点があります。

成約金額からは読み取れない事情がある

過去の取引事例を集積したデータベースは、確かに実際に取引された正確な売却価格です。

しかし、取引された時の状況(売り急ぎ・部屋の劣化具合・ライバル物件の数・売却時期など)が分からないため、相場よりも高い状況で売却したのか低い状況だったのかも分からないという点にご注意ください。

ポータルサイトの販売価格は高めに設定

ポータルサイトに掲載されたマンションの価格は、相場よりも少し高めで売り出されていることがほとんどです。

それは、自らの価格改定や購入申込時の値下げ交渉などによって、売り出し価格よりも低い価格で成約することが通例だからです。

この売り出し価格と成約価格との差は首都圏においては一般的に4〜6%とされますが、その他の地域はそれより少し乖離幅が大きくなる(8〜10%)場合もあります。

そのため、掲載金額の性質を理解して「ポータルサイトの掲載金額から5%引いたものを相場と見なす」など、ご自身で決めて利用するようにしましょう。

参考にするのは直近の売却事例に絞るべき

取引事例は成約した価格に間違いありませんが、取引した時点の成約価格(相場と思われる金額)として利用はできるものの、余りに古い成約価格では相場把握の参考になりません。

それは、一般的にマンションは、築年数が古くなるにつれて価格も下がっていく傾向にあるからです。

まずは、相場調査時点から過去1年の取引事例に絞って検証するなど、できる限り新しい事例を参考データとして活用しましょう。

相場調査の際には検索条件を揃える

直近1年以内の同じマンションの取引事例があれば信憑性は高く、階層・広さ・ベランダの向き・間取り・部屋の劣化状況などの優劣で補正すれば、かなり正確なマンション相場が出るはずです。

しかし別のマンションであれば、少なくとも駅距離・築年数・グレード・広さ・間取りなどの条件を揃えないと参考にはなりません。

もしも同じエリアに条件が類似するマンションがなければ、沿線やエリアは違っても総合的に同等と見なせるマンションを探し、類似物件として相場の参考にしましょう。

正確な相場価格は不動産会社に聞くべき

サイトから自分でマンション相場を知る方法はいくつかあり、便利で正確なツールもたくさんありますが、不動産会社の査定の精度には及びません。

やはり毎日そのエリアの不動産に触れて感覚を磨いている不動産会社が、もっとも正確な相場が出せますので、正確な相場金額をお求めなら不動産会社へ依頼するのがよいでしょう。

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まとめ

おおよそのマンション相場なら、パソコンやスマートフォンとネット環境があれば無料で簡単に調べられますが、ポータルサイトは相場より少し高くて取引事例は取引の状況が分からないデータだという点にご注意ください。

自分で自分のマンション相場や価格推移を把握することは、マンション価値の維持や売却タイミングを知るうえでとても大切ですので、ぜひご自身でサイトを使って調べてみてください。

しかし、正確な相場価格を知りたい場合には、やはり地域のマンションの取引状況や市場の動向に詳しい不動産会社に相談することが必要になるでしょう。

サイトで相場を調べる方法はお金が要りますか?

一部を除くほとんどが無料で、会員登録や時間制限もなく自分のペースで利用できます。

相場調査には、ポータルサイトと成約事例データベースのどちらが適していますか?

どちらも大切です。成約事例データベースは過去の正確な成約価格が分かり、ポータルサイトは現時点の成約価格を推測できるからです。

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柴田敏雄

柴田敏雄(しばたとしお)

執筆者

保有資格:宅地建物取引主任士、管理業務主任者

経歴:司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、不動産賃貸・売買の仲介営業会社に7年間従事し不動産全般の幅広い経験を積む。また外資系金融機関に2年間従事し金融資産形成や相続税の節税アドバイスを提供。不動産や金融の現場で培った経験を元に不動産系の記事を執筆している。

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