リースバックの利用を考えているなら、自宅の買取価格と家賃がいくらになるのかの目安を知る必要があります。
リースバックの買取価格や家賃の算定には独特の基準があるため、どのように価格が決まるのかを事前に知っておくことが大切です。
買い取られた不動産は投資目的で運用されるため、一般的な売却や賃貸と考え方が異なります。
本記事ではリースバックの買取価格と家賃の決定する仕組みについて解説し、売却と賃貸契約で失敗しないためのお手伝いをします。
リースバックの買取と通常の買取との違いはなんですか?
リースバックでは自宅を売却したあと賃貸契約を結び家賃を払ってその家に住み続けられますが、通常の買取では売却後に転居が必要です。
リースバックによる自宅の売却と通常の売却との価格差はありますか?
リースバックの売却と、通常の売却には価格差があります。リースバックの売却価格は、通常の売却価格の60〜80%が相場です。
この価格差は、リースバックでは売却後にその家に住み続けることが可能であり、投資家にとってはリスクの低い投資になるためです。
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リースバックの基礎知識
リースバックを利用する人は、近年増加傾向です。
特にコロナ禍の影響などで急にまとまった金額が必要になった人が、自宅を売却して資金をつくり、その後もその家に住み続けられるリースバックを利用するケースが増えています。
自宅を素早く現金化できるリースバックですが、利用する前に必ず抑えておきたい基礎知識があります。
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リースバックの仕組み
リースバックは持ち家を売却したあとに、家賃を支払って住み続ける方法です。
売却契約後に、新たに賃貸契約を結んでその家を借り直します。
リースバックの大きな特徴は、資金を迅速に調達できる点と、生活環境を変えずに住み続けられる点です。
コロナによる景況の悪化などで資金繰りに困っている人の利用が多く、売却で得た資金を住宅ローンの早期返済や老後資金などに利用できるため注目を集めています。
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リースバックのメリット
リースバックのメリットには以下のものがあります。
- 資金の使用目的に制限がない
- 住居にかかる固定費が減る
- 売却した家を買い戻すこともできる
資金の使用目的に制限がない
リースバックによる売却で得た資金は、自宅を担保にして受けた融資と違って使用目的に制限がありません。
自宅を担保にして老後資金などの融資を受けるリバースモーゲージでは、資金の使い道が生活費やリフォーム費用、医療費などに制限されています。
しかし、リースバックで得た資金は、事業の立て直しやレジャー、教育費など自由に使えます。
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住居にかかる固定費が減る
リースバックで自宅を売却すると、その後は固定資産税や都市計画税を払う必要がなくなります。マンションなら管理費や修繕積立金の支払いも不要です。
このため、住居にかかる固定費を減らせます。さらに、将来的な大規模修繕やメンテナンスの負担もなくなるため、資金計画が立てやすくなります。
売却した家を買い戻すこともできる
リースバックで自宅を売却後も、場合によってその家を買い戻すことが可能です。
これは再売買の予約契約を結んでおくことで実現できます。この契約により、将来の状況に応じて再び所有権を取得する選択肢が確保されます。
自宅の売却時に再売買の予約契約を結んでおけば、生活や事業を建て直したあとに思い入れのある自宅を買い戻せます。
リースバックのデメリット
リースバックを利用するときは、メリットとデメリットを見比べてトータルでの判断が必要です。
以下のように、リースバックのデメリットがあります。
- 一般的な売却よりも価格が安い
- 家賃は相場よりも高い
- ずっと住み続けられるわけではない
一般的な売却よりも価格が安い
リースバックで売却する価格は、仲介による売却よりも安い価格で取引されます。
リースバックで買い取った物件はすぐに売りに出せないので、家賃収入で長い期間をかけて利益を出さなくてはいけません。
そのため、投資家が将来的に再販する際の利益を見越して価格が設定されることで、通常の売却と比較して安価になる傾向があります。また、投資リスクを軽減するため、価格は保守的に見積もられがちです。
リースバックは自宅をスピーディーに現金化でき、そこに住み続けられる利点がある分、安い金額で売買されます。
家賃は相場よりも高い
リースバックで賃貸契約を結んだ家の家賃は、相場より高いのが一般的です。
この理由は、リースバックで取得した物件が投資目的で運用されるため、投資家が期待する利回りが家賃に反映されるからです。
一般的には買取価格の8〜12%の利回りを目安に家賃が設定されるため、相場よりも高額になることが多いです。
ずっと住み続けられるわけではない
リースバックは賃貸契約の内容によって、ずっと住み続けられない場合があります。
リースバックの賃貸契約は期限のある定期借家契約を結ぶ場合があるので、一定期間が過ぎてしまうと改めて双方の合意のもと契約を結び直すか、退去しなければなりません。
契約期間は一般的に2〜3年と設定されることが多く、この期間内に生活状況が変わる可能性を考慮する必要があります。
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リースバックの買取価格
リースバックによる自宅の買取価格は、仲介の売却よりも安い価格で取引されます。
相場は仲介価格の60~80%ほど
リースバックの買取価格は、一般的な仲介価格の60〜80%程度になるケースが多いです。
仲介の売却の場合は、一般の不動産市場に売り出すので時間はかかるものの、より高い価格で売ることができます。
しかし、リースバックは不動産会社に直接買い取ってもらうため、市場原理の恩恵が少なく価格が安くなってしまいます。
また、築年数が新しい物件や都市部などの利便性がよい物件ほど価格が高いのが一般的ですが、リースバックで買い取られる物件は、投資家が将来的に再販する際の市場リスクも考慮に入れた価格設定がなされます。
そのため、築年数や立地条件に関わらず、一定のディスカウントが適用され、他の売却方法に比べて価格が低くなるのです。
一方、築年数が古い物件をリースバックで売却する場合は、今後の値下がり幅が小さく下落リスクが少ないため、不動産価値と売却価格の差が築年数の新しい物件ほど開きません。
リースバックでは築年数が一定以上古い場合、価値の下落要素が小さいので売却に有利にはたらく場合があります。
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買取価格の決まり方
リースバックで買い取られた物件は、投資目的で運用されます。
そのため、不動産の需要が高い都市部ほど資産価値が高く、買取価格が高い傾向です。
また、リースバックの買取価格は利回りを重視して決定します。利回りは家賃に転嫁されるため、物件の買取価格が高いほど家賃は上がり、物件価格が安いほど家賃が下がります。
リースバックで自宅を買い取ってもらう場合は、のちの家賃のことも考えて金額を交渉しなければいけません。
また、リースバック契約を結ぶ際には、将来的な再契約の条件や家賃の見直しについても確認しておくと良いでしょう。契約内容によっては、家賃の増額が定められている場合もあります。
低い金額で売却した場合は買い戻しをする場合にも有利です。
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家賃の月額設定も重要
リースバックで設定される家賃は近隣の類似物件より高いのが一般的です。月額家賃は買取価格の8〜12%で設定されます。
リースバックの家賃は同じエリアの類似物件よりも高く、住宅ローンの支払額の相場よりも安く設定する場合が多いです。家賃は買取価格と比例して設定されるので、買取価格が安いほど家賃は少なくて済みます。
また、リースバックの家賃設定は長期的な居住費用に影響を与えるため、契約前に詳細なシミュレーションを行い、将来的なコストを見積もることが重要です。
リースバックでの家賃の計算方法は以下の通りです。
賃料=買取価格×期待利回り(年率)/12カ月+物件の必要経費
【買取価格ごとの利回りと月額の賃料設定】
買取価格 \ 利回り | 8% | 9% | 10% | 11% | 12% |
---|---|---|---|---|---|
1,000万円 | 約6.6万円 | 約7.5万円 | 約8.3万円 | 約9.1万円 | 約10万円 |
2,000万円 | 約13.3万円 | 約15万円 | 約16.6万円 | 約18.3万円 | 約20万円 |
3,000万円 | 約20万円 | 約22.5万円 | 約25万円 | 約27.5万円 | 約30万円 |
※不動産会社(投資家)は利回り10%以上を希望する場合が多い
リースバックの買取価格相場を確認するポイント
リースバックで自宅を売却する場合、複数の不動産会社の査定を受けることは必須です。
査定は複数の会社に依頼する
リースバックの買取価格の査定は、複数の会社に依頼します。査定を受ける会社は最低でも3社以上行うのが一般的です。
不動産会社によって査定基準は異なるため、複数社の買取価格を比較して検討します。
仲介業者の出す査定額は物件の成約時に下がる可能性がありますが、買取の査定額は買取価格との差はほとんどありません。
リースバックで家賃よりも自宅の売却価格を重視するなら、査定額を高く出した不動産業者を選ぶのがよいでしょう。
買取価格と家賃のバランスを考える
買取価格を抑えると月額家賃を下げられるため、自分の希望条件として買取価格が高い方がよいのか、家賃を低くする方がよいのかを検討し、もっともバランスのよい落とし所を見つけましょう。
また、買取価格がそのまま全部手に入るわけではありません。自宅の売却益は、買取価格から仲介手数料、諸費用を差し引いて計算するので注意が必要です。
売却益=買取価格−仲介手数料−諸費用
リースバック以外の手段も比較検討する
リースバックを検討する場合、必ず他の売却手段も検討するようにしてください。
以下の3つがリースバック以外の方法です。
- リバースモーゲージ
- 仲介による売却
- 買取
リバースモーゲージ
リバースモーゲージは自宅を担保に生活費の融資を受け、最後に売却で返済します。
自宅の所有権と居住権は残し、まとまった資金を得たい場合はリバースモーゲージがよいかもしれません。
リバースモーゲージは年齢制限や資金の使用目的が生活費などに限定されるので、高齢者が老後資金を得るのに適しています。
仲介による売却
自宅を市場に売り出し、一般の人に向けて売り出します。
時間はかかりますが市場原理がはたらき、高く売れる可能性があります。。特に、市場動向が良好な時期には、予想以上の高値で売却できることもあります。
1円でも高く売りたい場合は、この方法を選ぶとよいでしょう。
買取
今の家に住み続ける選択肢が不要な場合は、買取を依頼すればリースバックより高い価格でスピーディーに現金化が可能です。
買取ならリースバックのような複雑な手続きも不要です。
リースバックの買取価格の相場に関するまとめ
自宅を売却して行う資金調達は、どの方法を選択しても必ずメリットとデメリットがあります。
リースバックを検討するなら、なぜ資金が必要なのか、自宅をどのような形で利用するのが1番よいのかをしっかり考えましょう。
優先順位を明確にして納得のいく方法を選べば、最も理想的な買取価格を実現できます。
リースバックが他の売却手段に比べ、買取価格が安い理由はなんですか?
リースバックで買い取った物件は投資目的で長期で運用されるため、現時点の不動産価値に加え下落リスクも計算して価格が決まるからです。
リースバックの買取価格と家賃価格にはどのような関係がありますか?
リースバックの買取価格と家賃価格は正比例の関係にあります。
リースバックの家賃設定は買取価格に応じた利回りで決まるので、買取価格が高ければ家賃も高くなり、買取価格が安ければ家賃は低くなります。
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