マンション売却相場と築年数との関係は?価格の推移と売れる理由を解説

マンション売却相場と築年数との関係は?価格の推移と売れる理由を解説

マンションの築年数に応じた相場価格はいくらでしょうか?

実は、中古マンションの平均価格は直近で10年以上も右肩上がりを続け、2023年現在でも空前のマンションブームといわれています。

しかも築年数による値動きの傾向と需要との関係が分かれば、売却に適した時期は自分でもある程度予測できるのです。

この記事では、築年数ごとの中古マンションの状況や節税の特例、中古マンションが売れる理由などをまとめています。

マンションの売却を検討されている方は是非参考にしてください。

購入してから数年経って価格が上がることはありますか?

あります。新築マンションの高騰につられて中古マンションも価格が上がっている今は、購入時より高くなることがあります。

今はマンションを売るには時期だといえますか?

中古マンションの成約価格が少しずつ上昇しているため、安いライバル物件が売りに出ていなければ売却には有利な時期といえます。

目次

目次

マンションの売却額は土地と築年数の2つで決まる

マンション価格とは、建物価格と土地価格(土地所有権の共有持分割合)を合計した金額です。

マンションやビルなど1棟の建物が複数に区切られている構造で、おのおのに独立した所有権がある建物を区分所有建物といいます。

部屋に土地の権利がついているとはイメージしづらいのですが、マンションには区分所有建物には分離して処分できない敷地権(敷地所有権の共有持分割合)がついているのです。

建物は築年数とともに劣化し資産価格は下がっていきますが、土地はいくら年数が経過しても劣化して資産価値が目減りすることはありません。

つまりマンションの売却額は、築年数に応じた建物価格と土地(敷地権)の資産価値によって決まるのです。

ちなみにマンションの価格には、ベランダ・ルーフバルコニー・玄関ポーチなどその部屋の居住者が専用使用できる共用部分の資産価値も含みます。

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マンションの築年数と平均売却価格との関係とは?

鉄筋コンクリート造りの建物は耐用年数が100年以上あるといわれており、地震が多く湿度が高い日本においても築後60年を超えるマンションが現存しています。

一方で税法上の減価償却においては、鉄筋コンクリート造りの建物(マンション)は47年

で資産価値が0円になると仮定し、建物取得費(建築費用もしくは購入費用)を長期間かけて経費計上します。

マンションのように理論上は100年以上も使える物でも長い目で見れば消耗品であり、税法上の法定耐用年数はマンションの売却相場に大きな影響を及ぼしているのです。

しかし土地は消耗品ではありません。数年ごとの価格変動はあるものの、資産価値が右肩下がりに目減りすることはなく、長い目で見れば物価上昇と連動するように微増を続ける性質があります。

マンションの築年数別でみる平均価格

マンション価格は、下表のように築年数が経つにつれて平均価格は次第に下がっていき、築30年付近で底値に落ち着く傾向があります。

引用:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)図表6-1中古マンションの築年帯別平均価格|公益財団法人 東日本不動産流通機構

築50年を越えるマンションも購入対象として流通しており、下のグラフのように2021年の実績で築30年以上のマンションが成約総数に占める割合は29.7%にものぼります。

引用:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)図表3中古マンション築年帯別構成比率|公益財団法人 東日本不動産流通機構

ただし、マンション価格とは建物価格と土地価格の合計額であり土地の価格が0円になることはないため、築年数が古くなるにつれてマンション価格に占める土地価格の割合が大きくなっていきます。

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築年数帯で異なるマンション価格の下落率

下表は築年数を5年ごとに区切り、マンションの平均成約価格の推移を示したものです。

引用:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)図表6中古マンション成約状況(万年、㎡)|公益財団法人 東日本不動産流通機構

下表はその各築年数帯間の価格差を表すものですが、築11〜20年までの下落幅が最も小さくなっています。

築年数帯下落幅
0−5年〜6−10年9.75%
6−10年〜11−15年11.77%
11−15年〜16−20年4.11%
16−20年〜21−25年20.04%
21−25年〜26−30年39.27%
26−30年〜31− 年10.33%

この時期のマンションの下落率が小さい理由の1つに「住宅ローン控除」の対象がマンションなら築25年までという要件があったからです。

ただし、2022年4月1日からは築40年ほどのマンションまでに制度対象の要件が広がったため、控除期間10年が最大で受けられる築30年までのマンションへも購入需要が拡大するものと考えられます。

なお、住宅ローン控除とは、個人所有の中古マンションを購入する場合には住宅ローン借入金額の0.7%を上限に10年間所得税および住民税を控除してくれる大変お得な制度です。

【高値で売る秘訣】過去の取引事例から見る、あなたのマンションの価値とは?

過去10年のマンション平均価格の推移

中古マンションは一般的に築年数に伴って価格も下落していきますが、直近10年でみれば中古マンションの平均価格は上昇しています。

下表によれば中古マンションの平均価格は、首都圏・近畿圏・全国平均のいずれも価格が上昇しています。

引用:全国 新築分譲マンション市場動向 2021 年(表③マンション価格推移 全国2012〜2021年)|株式会社不動産経済研究所

このデータを以下グラフ化すると、少しずつ上昇しているのが視覚的に分かります。

2019年の年末に端を発するコロナ禍を経ても、中古マンション価格は下落どころか微増を続けるほど強いトレンドがあるようです。

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築年数に応じたマンション売却のポイント

マンションの築年数は古さを感じさせるイメージに直結するため、価格や需要に大きな影響を与えます。

また、不動産ポータルサイトの「絞り込み検索」では10年・15年・20年など切りのよい築年数を設定するため、区切り築年数を売却のきっかけにするのもよいでしょう。

このほかにもマンション売却では築年数ごとの特徴や需要があるため、それらを理解して購買層へ適切にアプローチできるよう販売戦略を立てましょう。

築5年前後のマンションは住宅ローン残債を確認

築浅マンションを中心に探している方や、新築時の抽選で外れて購入できず売りに出るのを待っていた方にとっては築5年前後の築浅マンションは魅力的です。

また、マンション価格が上がっている昨今なら場合によっては新築時よりも高くなる可能性もあり、高額売却の期待がもてる築年数帯でもあります。

しかし、購入価格いっぱいの額で住宅ローンを組んで新築マンションを購入した場合には、購入後5年以内の返済では売却額よりも住宅ローン借入残高が大きい「オーバーローン」のためにマンションを売却できない可能性があります。

マンションを売却するには売却金で住宅ローンを一括返済して抵当権を抹消しなければなりませんが、オーバーローン状態なら普通の方法では売却できないのです。

引用:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_money/overloan/

まずは不動産会社へ相談し、住宅ローン残高と売却相場や売却経費を計算して売却ができるかどうかを確認しましょう。

築10年前後のマンションは売却するなら早めがよい

築10年を越えると古いイメージが付きやすくなり、築浅マンションを求める購買層の需要が減ってマンション価格の下落幅が大きくなります。

さらに、国土交通省が策定した「長期修繕計画作成ガイドライン」によれば、築12年前後のマンションでは大規模修繕を要する設備が一気に増えます。

もし、大規模修繕計画に対して修繕積立金残高が不足していそうな場合には、修繕積立金が増額される前に売却をされる方もいます。

ただし、築10年前後のマンションは中古価格が上昇している今なら、少しでも早く売却すれば高額で売却できるチャンスを掴みやすくなります。

マンションの事業主と新築購入時の買主の間にだけある「品確法」の保証期間を消化してから売却したい方は10年経ってから検討するとよいでしょう。

築20年前後のマンションは価格下落率が低く売却に向く

築10〜20年は価格の下落率が低く、価格が安定していて中古マンションの大きな売り時です。

2021年3月までは住宅ローン控除の対象要件に築25年までのマンションという項目があったため、築20年前後のマンションに足切り時期の駆け込み需要があり価格が安定していた面もあります。

この時期のマンションは、住宅ローンの借入年数の制限を受ける築年数帯でもあります。というのも銀行のなかには法定耐用年数を借入期間の制限としているところがたくさんあるからです。

たとえば、築20年のマンションなら、

法定耐用年数47年−築20年=最長借入期間27年

となるため、最大の35年ローンを組みたい方は購買層から外れるでしょう。

築25年前後のマンションで住宅ローン控除適用要件が緩和

築25年前後のマンションの価格は底値付近へとなだらかに下降していくため、その後は急激に下がりづらい傾向です。

2022年4月1日に、住宅ローン控除の対象マンションが築25年から築40年あたりまで拡大しました。

住宅ローン控除の対象物件なら耐震基準適合証明書の発行が不要になり、発行申請の手間や取得費3〜4万円が浮くため、今後の購入需要が増加するかも知れません。

一方で、大規模修繕工事は25年以降でさらに増える傾向があり、管理費修繕積立金の増額や臨時徴収の懸念は無視できません。

住宅ローン控除はローン借入額が大きいほどお得ですか?

適用する借入額は入居時期によって上限があり、2023年に中古マンションに入居した場合には2,000万円か3,000のどちらかです。

個人間売買ならローン残高の必ず引かれますか?

自分で支払った所得税と翌年の住民税の合計額が上限になるため、ほとんどの場合で最大控除額(0.7%×10年間)よりも少なくなります。

築40年前後のマンションは耐用年数に注意する

築40年を超えるとマンション価格のほとんどは土地代に近づき安くなっているため、マイホームや投資物件を安い予算で探す方とは相性がよい築年数帯です。

ただし、1981年6月1日以降に建築確認が受理されたマンションは新耐震基準とされ、築40年を超える旧耐震基準で建てられたマンションは耐震面で不安を感じる方もいます。

とくに、窓などの開口部が大きい・1階が壁のない駐車場・柱の間隔が広いマンションは構造や耐力の面では注意が必要です。

また、築47年を経過したマンションは住宅ローンが借りられないこともあるため、現金購入の顧客がメインターゲットになるでしょう。

築50年前後のマンションは古い建物を好む層へ戦略的に

築50年にもなればそのマンションの底値というべき低い価格帯に落ち着いています。

DIYやリノベーションの素材になるような築古で安いマンションを求める層が一定数いますので、激安価格で投げ売りしなくてもまずは適切な顧客層に戦略的にアプローチすることをおすすめします。

とくに、主要ターミナル駅からすぐの立地なら築50年を超えるマンションでも土地の価値が高いため、高額でも売り出せばすぐに買い手が付く人気マンションがあるようです。

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築5年以内のマンションで売却できないリスク

築5年以内の築浅マンションは高額売却が期待できる反面、築浅だからこそ起こる問題もあります。

築年数が浅いから高く早く売れるとは限らない

築浅マンションは外観や室内の見た目が良く設備のグレードや利便性が高いため、物件の魅力が高いのは間違いありません。

しかし、新築にはさらにその上をゆく特別な魅力があるため、築浅中古マンションと同じような価格帯の新築マンションが競合する場合には見劣りします。

同マンション内や近隣で類似物件が同時期にたくさん売りに出た場合には、価格競争になり低価格でも売れないなど苦戦することがあります。

オーバーローン状態で売却できないことがある

住宅ローンの返済額を毎月同額にしようと多くの方が選択する「元利均等返済」は、下図のように返済開始から数年間は返済額に占める金利の割合が多いため、元本の減るスピードが遅く思ったほど返済が進んでいません。

引用:https://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/simulation/shinki01/

そのため、築浅のマンションは高額売却が狙えるものの売却金から経費を引いた残りのお金で住宅ローンが返せるのかの確認が必要なのです。

もしも一括返済ができない場合は、売却自体を延期するか自己資金を投入して返済し売却するか、不動産会社を交えて慎重に資金計画を練ってください。

マンション売却におすすめの築年数は築10〜20年

マンションを売却するなら築10〜20年がおすすめですが、その理由を解説します。

売り出し価格や販売戦略を大きく外さないこと

築10〜20年のマンションは築浅マンションよりもはるかに価格が安いため購入しやすく、借入金額も低くなり返済が楽になるなど、多くの方が購入対象にしやすい価格帯です。

また、住宅ローンの借入年数が長くて住宅ローン控除やそのほかの特例が使える年数でもあるため、自ずとコストパフォーマンスが高いマンション選びができます。

このような理由で常に需要が高い築年数帯であるため、相場価格を大きく超える価格設定で売れづらい時期に売り出さない限りは、長期間売れ残って失敗することはないでしょう。

築20年以降に大きな変化がいくつも控えている

築25年までだった住宅ローン控除適用要件が緩和したのは、プラス要素として需要増加を後押ししそうです。

一方で、築25年あたりは住宅ローンの借入期間が短く制限されるため、大規模修繕が増加する時期というマイナス要素も関係してきます。

マンション売却の限界築年数は?

日本における初期のマンションで築60年を超えるものが今もまだ利用され流通していますが、その多くは東京の超一等地に建つマンションです。

たとえば、建物価格はほぼ0円に近いものの、渋谷駅から徒歩1分など今では到底手に入れられない圧倒的な立地の良さが流通が活発な理由です。

レインズの取引事例によれば、直近1年間(2022年1月〜2022年12月)に東京23区内で築50年以上のマンションが30件(単身用間取り含む)も成約していました。

しかし、立地や眺望や外観デザインなど大きなメリットがないマンションは、築50年を超えて下記のデメリットが目立つと売却は難しいでしょう。

  • 建て替えが近いものの建て替えになるかは分からない
  • 建て替える際に高額の特別負担金を支払う場合がある
  • 管理組合がないか適正に運営されていない場合がある
  • 旧耐震基準は大規模地震に耐えられない可能性がある
  • 求める設備の導入やバリアフリーが難しい場合がある

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中古マンション価格は上昇傾向が続く

下記は2008年以降の全国のマンションを含む不動産価格の動向が分かる不動産価格指数のグラフです。

引用:PressRelease<不動産価格指数(住宅)(令和4年8月分・季節調整値)>|国土交通省

不動産価格指数とは、年間約30万件ある不動産の取引価格情報を集計して、全国・ブロック別・都市圏別などで不動産価格の動向を指数化したもので、2010年の平均を100とした相対指数で表しています。

このグラフから不動産価格は直近12年以上も全般的に上昇しており、とくにマンションは大きな右肩上がりを続けています。

新築マンション価格は年々上昇しそれにつられて中古マンション価格も引き上げられて市場は活況です。

なお、マンション売却の新規登録も成約も下記グラフのとおり平均築年数は21.99年(前年21.64年)であり、流通するマンションの平均築年数は年々古くなっています。

引用:首都圏不動産流通市場の動向(2020年)|公益財団法人東日本不動産流通機構

市場に古いマンションが増えているということは、築浅物件の相対的な価値が上昇していると判断できます。

マンション売却相場を自分で調べる方法

マンションの売却相場を正確に調べるなら複数の不動産会社へ査定を依頼すべきですが、ある程度の相場観を掴むだけなら自分でも調べられます。

レインズ・マーケット・インフォメーションで調べる

レインズとは不動産会社のみが見られる不動産ポータルサイトで、マンション売却を受けた不動産会社が情報を登録し、全国の不動産会社と協力して買主を探します。

レインズにはマンションが成約すると成約情報を登録するため、全国の正確で膨大な取引実績がストックされています。

レインズ・マーケット・インフォメーションはこの取引実績の閲覧のみを一般の方に開放しているサービスで、ネットに繋がったパソコンがあれば無料で利用できます。

類似物件が直近ではいくらで成約していたのかを調べるのに便利です。

土地総合情報システムを使って調べる

土地総合情報システムとは、マンション売却で所有権移転登記をした1〜2ヵ月後に新所有者に対してアンケート調査票を送りその回答を集めたデータベースで、ネットに繋がったパソコンがあれば無料で利用できます。

アンケートの返信は任意でありこのシステムにすべての取引が載っているわけではありませんが、個人が特定できない範囲でかなり詳細の情報が登録されているため、深い価格分析をするのに向いています。

不動産ポータルサイト売り出し価格で調べる

今や不動産情報を扱うポータルサイトは無数にあり、パソコンやスマートフォンからいくつかの条件設定をして検索するだけで簡単に探すことができます。

ただし、不動産ポータルサイトに載っているのは売り出し中のマンションだけで、成約すればサイトから情報が消えるだけで成約価格は分かりません。

また、買主からの値段交渉を見越して少し高めに掲載してあることが多く、一般的には価格乖離率(売り出し価格と成約価格との差)は約5%ともいわれています。

つまり、不動産ポータルサイトの価格から約5%を引いたものを成約価格と仮定して、相場の把握に利用することができそうです。

複数の不動産会社の査定を受ける

不動産会社の査定は、レインズの成約事例のほかにも売り出し時期やライバル物件の動向や中古マンション市場の変化など、いくつかの情報を加味して査定価格を出します。

日常的に中古マンションを売買する不動産会社こそが新たな相場を作るともいえるため、複数の不動産会社の査定結果を比較し、根拠や判断理由を聞くのが最も正確な相場を知る方法です。

その際には面倒でも1社ではなく必ず複数社へ査定を依頼して、広く意見を聞くようにしましょう。

築年数が古くても成約するマンションの特徴

築年数が古くても成約するマンションには共通する特徴があり、なかには売主の努力で補えるものもあります。

絶対的に人気のエリアに建っている

築年数がかなり古くても売れるマンションは立地が良い場所に建っている場合がほとんどです。

マンションの建物価格は築40〜50年で0円に近づきますので、古いマンションは立地(土地の資産価値)を売買しているのと同じです。

立地条件は劣化することのない絶対的価値であり需要がなくなることはなく、立地さえ良ければ建物がかなり古くても活発に取引されるのです。

購買層が求める条件を満たしている

買主は、下記のような自分の生活に合ったものもしくは新たに採り入れたいライフスタイルを購入するマンションに求めています。

  • 日当たり・閑静・公園や自然環境
  • 広さ・間取りや動線・明るさ・風通し・眺望
  • 人気の設備やサービス(ウォークインクローゼット・24時間ゴミ置場、自転車やベビカーや三輪車が置ける専用ポーチ・専用庭・屋上解放イベント・屋上菜園・屋上ドッグラン・専用ルーフバルコニーなど)

築年数が古いマンションは価格が安いため、多額のリフォーム費用をかけて自分好みの設備や間取りが実現できるのは魅力的です。

管理費や修繕積立金や駐車場代が安い

マンションを所有していくための費用は、ローン返済以外にも維持費(管理費・修繕積立金・駐車場使用料など)がかかります。

ローンの支払額と維持費を足した総支払額に注目すれば、物件を選ぶ基準や価値観が変わり候補となるマンションは広がるでしょう。

維持費の金額は、下記の場合に高くなる傾向があります。

  • 特別な設備がついている
  • マンションの形がいびつ
  • 総戸数が少ない

土地の持分が多いマンション

広大な土地に建つ低層の団地群のようなマンションは、土地の持分が大きい場合にはプレミアムマンションになる可能性があります。

マンションの建て替えでは、今ある土地の価値の「等価交換」や「権利変換」によって新マンションの高価な部屋を手に入れられる場合があるからです。

建築当時から法令が変わり高層マンションが建てられる地域では、古い団地型間取りの小さなマンションが高層階の広い最新マンションに交換できたケースが実際にあります。

建て替えは必ず実施されるか分かりませんが、そのような価値観を知っていれば古いマンションの見方が変わることでしょう。

築年数が古くても売れるマンションにするには

築年数が古くても売れるマンションの条件は、後から埋められない先天的なものばかりではありません。

リフォームすれば売れるわけではない

誰もがマンションを安く手に入れたいと願っていますので、価格の割に程度が良くキレイに見えるなら売れやすくなるでしょう。

しかし、売主がリフォームをしたマンションが売れるとは限りませんし、リフォーム費用を売却価格に上乗せして全額回収するのは困難です。

また、売主側でリフォームしてしまえば自分の好きにDIYやリノベーションをしたい方の需要には応えられませんので、自分の判断でリフォームせず不動産会社に相談しましょう。

大規模な修繕工事の実施後に売却する

大規模修繕工事が適切におこなわれていればマンションの躯体や設備の劣化が抑えられ資産価値が保たれます。

しかし、大規模修繕工事に見合うだけの修繕積立金が予定どおりに貯まっていなければ修繕積立金の増額や臨時徴収がおこなわれます。

つまり、大規模修繕工事が終わった直後なら修繕積立金の増額や臨時徴収が当分ないという安心感があるため、買主への強いアピールになるでしょう。

瑕疵保険を付保して安心感を高める

瑕疵保険は、適合証明の代用として「住宅ローン控除」や「すまい給付金」の申請要件を満たします。

また、瑕疵保険は、マンション引渡し後に告知していない不具合箇所が見つかった場合に、売主が補修する際にも保険適用できて安心です。

瑕疵保険の加入は現行の耐震基準を満たすことが要件であり、新耐震基準のマンションなら付保できる可能性が高く、買主にとっても安心でお得なマンションという訴求効果も期待できます。

マンション売却相場と築年数との関係のまとめ

中古マンションを高く売るには、相場価格が上昇局面の今であればできるだけ早く売り出すことです。

ただし、中古マンションは使用できる年数が長くその築年数に応じて取り巻く状況が変化するため、築年数に応じた特徴を理解して戦略に活かさなければなりません。

自分で取引事例は調べられますが、中古マンションに関する特例や市場の動向を加味した販売戦略は、中古マンション市場をよく知る不動産会社にご相談ください。

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中古マンションは築年数がいつの頃なら売却に適していますか?

築年数が10〜20年といわれていましたが、住宅ローン控除の対象が変わり築30年まで広がる可能性があります。

中古マンションを高く売るために最も大切なのは何ですか?

現状を知ることです。それは相場であり中古マンション市場の動向です。現状を正確に把握して主要な顧客層へ効果的にアプローチしましょう。

柴田敏雄

柴田敏雄(しばたとしお)

執筆者

保有資格:宅地建物取引主任士、管理業務主任者

経歴:司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、不動産賃貸・売買の仲介営業会社に7年間従事し不動産全般の幅広い経験を積む。また外資系金融機関に2年間従事し金融資産形成や相続税の節税アドバイスを提供。不動産や金融の現場で培った経験を元に不動産系の記事を執筆している。

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