住宅ローンの借り換えは、金利や返済期間の調整で返済負担を減らすことができる方法です。しかし、メリットだけでなく、手数料や将来の金利変動リスクも考慮する必要があります。
現在のローン条件に不満があるなら、借り換えを検討することで得られる可能性がある節約効果は大きいです。この記事では、借り換えのタイミングやメリット・デメリット、手続きの流れまで、失敗しないためのポイントを徹底解説します。
住宅ローンの借り換えの基本知識

住宅ローンの借り換えとは、現在のローン条件を見直し、金利や返済条件を改善するための手段です。
特に、金利が上昇する前に借り換えると、返済額を大幅に減らすことができます。借り換えを検討する際には、金利動向を把握し、最適なタイミングを見極めることが重要です。適切な時期に行うことで、手数料などの費用をカバーしつつ、メリットを最大限に享受できる可能性があります。
住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンの借り換えとは、現在契約している住宅ローンを、新たに別の金融機関や同じ金融機関で、より有利な条件に変更することを指します。
目的は、返済総額を抑えることや、返済期間を短縮することで、家計負担の軽減を図ることです。借り換えを行うことで、金利が低いローンに切り替えたり、毎月の返済額を減らしたりすることが可能になります。
住宅ローンの借り換えに必要な要素
借り換えを成功させるためには、4つの要素を考慮する必要があります。
・金利が低いタイミングを逃さないこと
今は金融機関の顧客獲得競争が白熱しており、短期プライムレートの利上げに関わらず、優遇金利やカバー幅の大きな団体信用生命保険、保証料や手数料の無料化など、さまざまなサービスが行われているので、選択のチャンスです。
・借り換えにかかる手数料を計算すること
借り換えには一定の手数料が発生します。それらの費用が借り換えによって得られるメリットを上回るかを事前に計算する必要があります。
・条件が合うか確認すること
借り換えを検討する際には、建物の利用目的やローンの残高、返済期間などの条件も重要です。たとえば、賃貸用にしている住宅や事業用にしている物件については、借り換えに適用される条件が異なる場合があります。
・借り換え後の住宅ローンを慎重に選ぶこと
借り換え後の新たな住宅ローンの金利タイプ(変動金利、固定金利)や返済方法(元利均等返済、元金均等返済)を慎重に選ばなければ、借り換えの意味がなくなってしまうかもしれません。
住宅ローンの借り換えが有効なケース
借り換えは、以下のような状況にある方に有効です。
ケース | 具体的な理由 |
---|---|
金利が大幅に下がった場合 | 借り換えによってより低い金利を適用し、返済総額を減らすことが可能 |
残りの返済期間が長い場合 | 返済期間が長いほど、借り換えによる金利差が総返済額に大きく影響する |
固定金利から変動金利に変更したい場合 | 今後の金利上昇に備え、条件変更を行いリスクを減らす |
毎月の返済額を減らしたい場合 | 返済期間の延長などによって、毎月の負担を軽減することが可能 |
上記がご自身の状況に当てはまるかを、確認してみてください。
借り換えのメリットとデメリット

借り換えによって期待できる主なメリットとしては、返済総額の削減や毎月の返済額の減少が挙げられます。また、金利が上昇する前に固定金利に切り替えることで、将来的なリスクを回避できる点も大きなメリットです。
一方で、デメリットとしては、手数料や新たに契約する際の条件変更に伴う費用が発生する点が挙げられます。加えて、借り換えの手続きには時間がかかり、必要な書類も多いため、スムーズに進めるための計画が必要です。
借り換えのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
借り換えで期待できるメリット
現在の住宅ローン契約を見直し、より有利な条件へと変更することで、返済総額を減少させることができる手段である借り換えには多くのメリットがあります。では、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか?
1. 返済総額の削減
住宅ローンの借り換えを行う最大のメリットは、返済総額を減らせる点です。
現在のローン金利が高い場合、より低い金利に借り換えることで、利息の負担が軽減され、結果的に支払う総額が大幅に減少します。特に、返済期間が長く残っている方や、元金がまだ多く残っている方にとっては、金利差による効果が大きくなります。
借り換え前 | 借り換え後 |
---|---|
金利:2.5% | 金利:1.5% |
返済期間:25年 | 返済期間:25年 |
月々返済額:10万円 | 月々返済額:9万円 |
総返済額:約3,000万円 | 総返済額:約2,700万円 |
このように、金利がわずかに下がるだけでも、返済総額に大きな差が生じます。
2. 返済期間の短縮
住宅ローンの借り換えによって、金利が下がると、返済期間を短縮することも可能です。
例えば、現在の返済額を維持しつつ、より低い金利で借り換えを行えば、総返済額が減り、返済期間を短縮できる場合があります。これは、早期にローンを完済し、将来の金利上昇リスクを回避するためにも有効です。
3. 返済方法の柔軟性
借り換えを行う際に、返済方法を変更できる場合もあります。
たとえば、元利均等返済から元金均等返済へと変更することで、早期に元金を減らすことができ、利息の支払い負担を軽減することが可能です。また、金利タイプを固定金利から変動金利、またはその逆に変更することで、経済状況に応じた最適な返済方法を選択することができます。
4. 将来の金利上昇リスクの回避
変動金利から固定金利に借り換えをすることで、将来的な金利上昇のリスクを回避することができます。
今後の金利動向が不透明な場合、低金利の時期に固定金利へ変更することで、返済額が増えるリスクを抑えることが可能です。特に、今後の経済状況に不安を感じている方にとっては、大きな安心材料となるでしょう。
5. 生活資金の余裕が生まれる
借り換えによって月々の返済額を減らすことになれば、家計に余裕を持たせることができます。
住宅ローンは長期にわたる大きな支出であり、日々の生活費や急な出費に対応するためにも、月々の支払い負担を軽減できることは重要です。また、浮いた資金を他の投資や貯蓄に回すことで、将来の備えを強化することも可能です。
住宅ローン借り換えのデメリット
メリットが多く、住宅ローンは借り換えした方が良いと思う方が多いかと思います。しかし、メリットばかりではなく、注意すべきデメリットも存在します。
借り換えのデメリットについても詳しく確認していきましょう。
1. 手数料や諸費用がかかる
住宅ローンの借り換えには、手数料やさまざまな諸費用が発生します。
これらの費用を無視すると、せっかくの借り換えによる利息の削減効果が薄れてしまう可能性があります。借り換え時に必要な代表的な諸費用には以下のものが含まれます。
費用項目 | 説明 |
---|---|
事務手数料 | 新しい金融機関に支払う手数料。借入額の数%がかかることが一般的です。 |
抵当権設定費用 | 新たに抵当権を設定するための登記費用。 |
司法書士報酬 | 登記手続きを行うための司法書士に支払う費用。 |
保証料 | 保証会社に支払う費用。必要に応じて発生します。 |
印紙税 | 契約書に貼付する印紙にかかる税金。 |
これらの費用は数十万円になることもあり、借り換えによる利息削減額がそれらを上回らない場合は、かえって損をしてしまいます。
2. 手続きが複雑で時間がかかる
住宅ローンの借り換えとは、決して簡単な手続きではなく、複雑で時間がかかります。
まず、現在のローンを完済し、新しいローンを組むための各種書類の提出や審査が必要です。これには、収入証明書や登記事項証明書、印鑑証明書など、多くの書類を準備する必要があります。また、新しい金融機関の審査に時間がかかる場合があり、手続き全体に1か月以上を要することも少なくありません。
さらに、手続き中に金利が変動するリスクもあります。特に変動金利を選択する場合、借り換えの手続きが終わるまでに金利が上昇してしまうリスクもあります。
3. 借り換え後の条件がかえって不利になる場合がある
借り換えによって新たな条件が適用されるため、これまでのローンよりも返済計画が複雑になる場合があります。特に、以下の点に注意が必要です。
- 金利タイプの選択ミス
固定金利から変動金利に変更した場合、将来的な金利上昇により返済額が増加するリスクが高まります。
逆に、変動金利から固定金利に変更しても、現在の低金利が長期間続いた場合には、固定金利が結果的に不利となることもあります。 - 返済期間の延長による利息負担増加
毎月の返済額を減らすために返済期間を延長した場合、月々の支払いは軽減されるものの、トータルで支払う利息額が増加する可能性があります。
4. 借り換えができないケースもある
すべての住宅ローンが借り換え可能とは限りません。以下のような場合には、借り換えの審査に通らないことがあります。
- 信用情報に問題がある
借り換えを希望する場合でも、過去に支払いの遅延があったり、他の借入れが多すぎる場合、金融機関の審査に通らない可能性があります。 - 残りの返済期間が短い
借り換えによる効果は、返済期間が長いほど大きくなります。残りの返済期間が10年以下の場合、借り換えによる利息削減効果が少ないため、金融機関によっては審査が厳しくなることもあります。
借り換えのタイミングはいつがベストか?

住宅ローンの借り換えは、返済期間や金利条件を改善するための有効な手段ですが、いつ実行するかによって、その効果が大きく変わります。借り換えを検討する際には、金利動向やローン残高、さらには生活スタイルの変化を考慮する必要があります。
借り換えのベストタイミングは以下の7つが良いでしょう。
- 金利が大きく下がったとき
- 現在の固定金利が高く、変動金利へ移行したいとき
- ローン残高が多いとき
- 返済期間が10年以上残っているとき
- 借り換え手数料がカバーできるとき
- 将来的な金利上昇が予想されるとき
借り換えのタイミングを見極める方法
住宅ローンの借り換え効果を最大化するには、上述したタイミングで行うと良いでしょう。このタイミングの見極める方法について詳しく解説します。
1. 現在の金利と借り換え後の金利を比較する
住宅ローンの借り換えを検討する際、最も重要な要素は「金利」です。
現在のローン金利と、借り換え後の金利を比較し、その差が大きいほど、借り換えによるメリットが大きくなります。一般的には、借り換えによって金利が0.5%~1%程度下がる場合、借り換えを検討する価値があります。
金利差による効果をシミュレーションして、どれだけ返済総額を減らせるかを計算してみましょう。
2.固定金利と変動金利を比較する
低金利状況の場合、固定金利から変動金利へ借り換えることで、月々の返済額を大幅に軽減できます。
特に、金利の安心感から固定金利でローンを組んだものの、月々の負担が大きいと感じている方は、2024年現在の低金利状況では、変動金利へ借り換えることのメリットが大きいでしょう。
変動金利は、短期的には低金利を享受できるため、家計の負担を減らしたい人には魅力的です。ただし、将来的な金利上昇リスクを考慮し、しっかりとシミュレーションを行うことが大切です。
3.ローン残高が多く、返済期間が長く残っているか確認する
残りのローン残高が多いほど、金利の差による返済総額の変動が大きくなるため、借り換え効果が高くなります。
また、返済期間が長ければ長いほど借り換えの効果は大きくなります。
特に、残りの返済期間が10年以上残っている場合、借り換えによる金利差の効果がより顕著になります。少しの金利差でも大きな効果を見込める可能性があります。一方で、残りの返済期間が短い場合、借り換えによるメリットは小さくなるため、費用を考慮して慎重に判断する必要があります。
4.借り換え諸費用を考慮する
借り換えにかかる手数料や諸費用を考慮しても、金利差による返済総額の減少が手数料を上回る場合は、借り換えが有効です。
住宅ローンの借り換えには、事務手数料や登記費用、保証料などの諸費用が発生します。これらの費用がどれだけかかるかを事前に確認し、借り換えによる金利差から得られるメリットと比較することが重要です。手数料が高すぎる場合、借り換えのメリットが薄れてしまう可能性があるため、費用のシミュレーションを行い、トータルコストを把握することが大切です。
5. 金利上昇の兆候に注目する
2024年3月19日の金融政策決定会合で、日銀はマイナス金利を解除し、同年7月31日にもさらに利上げを行いました。 ただ、他の先進国の政策金利の水準と比較すると日本はまだまだ低水準にあります。
現在の金利が低水準にある場合は、将来的な金利上昇リスクを考慮して早めに借り換えを検討することが賢明です。特に、景気回復やインフレの兆しが見え始めると、金融機関は金利を引き上げる可能性が高くなります。そのため、経済ニュースや市場の動向に注目し、金利が上昇する前に借り換えを行うことが重要です。
6. 住宅ローンの借り換えシミュレーションを活用する
借り換えの適切なタイミングを見極めるためには、シミュレーションを活用することが有効です。金融機関やオンラインのシミュレーションツールを利用して、現在のローン条件と借り換え後の条件を入力し、返済総額や月々の返済額の差を比較してみましょう。これにより、どれだけ節約できるかが明確になります。
また、シミュレーションでは金利の他にも、借り換えにかかる諸費用や手数料、返済期間の短縮なども含めて計算することで、借り換えが本当に有利かどうかを判断できます。
金利上昇前に知っておくべきポイント
特に、金利が上昇する前に借り換えを検討することで、将来的なリスクを回避することができます。ここでは、金利上昇前に知っておくべき重要なポイントについて詳しく解説します。
1. 変動金利と固定金利の違いを理解する
住宅ローンには大きく分けて、変動金利型と固定金利型の2種類があります。
変動金利は市場金利に応じて変動し、低金利の時期にはメリットが大きいですが、金利が上昇すると返済額が増加するリスクがあります。一方、固定金利は契約時の金利が一定で、将来的に金利が上昇しても返済額が変わらない安心感があります。金利上昇を見越して、変動金利から固定金利に借り換えることで、将来の返済リスクを軽減できる可能性があります。
金利タイプ | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
変動金利 | 市場金利に応じて変動 | 金利が低い時に有利 | 金利が上昇すると返済額が増えるリスク |
固定金利 | 一定期間金利が固定 | 返済額が変わらず安心 | 金利が低い時期に借り換えないと割高になる可能性 |
2. 借り換えの費用を計算する
住宅ローンの借り換えとは、単に金利を下げるだけでなく、さまざまな諸費用がかかる点に注意が必要です。
借り換えに伴う代表的な費用には、事務手数料、登記費用、保証料などがあり、これらの諸費用が総額で数十万円に達することもあります。そのため、借り換えによるメリットがこれらの費用を上回るかどうかを慎重に判断することが大切です。
費用項目 | 説明 | 費用の目安 |
---|---|---|
事務手数料 | 新しい金融機関に支払う手数料 | 1万~5万円 |
登記費用 | 抵当権の設定・抹消費用 | 2万~10万円 |
保証料 | 保証会社に支払う費用 | 住宅ローン残高の0.1%~ |
3. 金利上昇リスクを考慮する
現在の低金利時代がいつまで続くかは不透明であり、今後、経済状況の変化によって金利が上昇するリスクがあります。
住宅ローンの借り換えとは、このような金利変動リスクに備えるための有効な手段です。特に、変動金利で住宅ローンを組んでいる場合、将来的な金利上昇に備えて固定金利への借り換えを検討することが重要です。
4. 金利交渉を活用する
借り換えを検討する際には、複数の金融機関に相談して金利の交渉を行うことも大切です。
住宅ローンの借り換えとは、単に金利の比較だけでなく、各金融機関が提供する条件をしっかりと検討することが成功の鍵です。また、現在利用している金融機関にも交渉を持ちかけることで、借り換えなしで金利を引き下げてもらえる可能性もあります。
借り換え手続きの流れと必要な書類

住宅ローンの借り換えを成功させるには、適切なタイミングを見極めることが重要です。金利が上昇する前に準備を整え、スムーズな手続きを目指しましょう。
借り換えに必要な準備と手順
住宅ローンの借り換えとは、現在のローン条件を見直し、より有利な金利や返済条件を求めて新たなローン契約を結ぶことです。
成功するためには、事前の準備と段階的なステップをしっかり踏むことが重要です。ここでは、借り換えに必要な準備と進め方について詳しく解説します。
1. 金融機関の比較・選定
まず、住宅ローンの借り換えを検討する際は、複数の金融機関を比較することが大切です。
各金融機関の金利、手数料、条件をしっかり比較し、自分に最も有利な条件を選びましょう。特に、固定金利や変動金利の違い、手数料の額などを確認する必要があります。
比較項目 | 具体的内容 |
---|---|
金利タイプ | 固定金利 vs 変動金利 |
手数料 | 事務手数料、保証料、登記費用 |
返済条件 | 返済期間の短縮や延長 |
その他特典 | 住宅ローン控除適用の可否、キャッシュバックなど |
2. 必要書類の準備
借り換えには、いくつかの重要な書類が必要です。各金融機関により若干の違いはありますが、一般的に以下の書類が必要となります。
- 本人確認書類:運転免許証やパスポートなど
- 収入証明書:源泉徴収票や確定申告書
- 物件に関する書類:登記簿謄本や不動産評価証明書
- 現在の住宅ローンに関する書類:ローン残高証明書や返済予定表
これらの書類は借り換えの審査に必要なため、事前に揃えておくことがスムーズな手続きに繋がります。
3. 借り換え審査の申請
次に、借り換え先の金融機関に審査を申し込みます。審査では、収入や現在のローン残高、物件の評価額などがチェックされます。審査に時間がかかることがあるため、早めに申請することが重要です。
審査が通れば、借り換えの正式な契約に進むことができますが、この時点で手数料や諸費用の詳細も確認しておきましょう。
4. 新しい住宅ローン契約の締結
審査が通過したら、いよいよ新しい住宅ローン契約を締結します。この時点で、契約内容や金利タイプ、返済期間などが確定します。
契約時に支払うべき手数料(事務手数料、保証料、登記費用など)もあるため、それらの費用を用意しておく必要があります。
5. 現在の住宅ローンの完済手続き
新しいローン契約が締結されると、現在の住宅ローンが一括返済されます。
この際、抵当権の抹消手続きなども必要となるため、司法書士に依頼するケースが多いです。これに伴う費用も発生するため、事前に見積もりを確認しておきましょう。
手続きにかかる時間と注意点

住宅ローンの借り換えとは、現在のローン条件を見直し、金利や返済条件を改善するための手段です。しかし、借り換えには一定の時間がかかり、いくつかの注意点もあります。ここでは、手続きにかかる時間と、スムーズに進めるためのポイントを解説します。
1. 手続きにかかる時間の目安
住宅ローンの借り換えにかかる時間は、通常1か月から2か月程度が一般的です。手続きの流れは、以下のように進みます。
ステップ | 所要時間の目安 |
---|---|
金融機関の選定・相談 | 1週間 |
申し込み・審査 | 2~4週間 |
必要書類の提出 | 1~2週間 |
契約締結・新しいローンの実行 | 1~2週間 |
全体の流れを見ると、各ステップにそれぞれ時間がかかるため、早めに手続きを開始することが重要です。特に、審査に時間がかかる場合があるため、時間に余裕を持つことが求められます。
2. 審査にかかる時間
審査にかかる時間は重要なポイントです。審査では、借り手の収入、返済能力、現在の住宅ローンの状況、物件の担保価値などがチェックされます。この過程には2~4週間程度が必要となり、書類不備や審査基準の厳しさによっては、さらに時間が延びることもあります。
3. 必要書類の準備
借り換え手続きに必要な前述の書類が揃っていないと、手続きが遅れる原因となります。以下のような書類を事前に準備しておくと、スムーズに進行します。
4. 借り換え先の金融機関選びの重要性
借り換えの手続き時間は、選ぶ金融機関によっても大きく異なります。大手銀行やネット銀行などは、借り換えの手続きに精通しており、スピーディーに対応することが多いですが、審査が厳格になることもあります。
逆に、地方銀行や信用金庫では、顧客に寄り添ったサービスが期待できますが、手続きに時間がかかることがあります。
5. 手数料や諸費用に注意
住宅ローンの借り換えとは、金利を下げるだけでなく、手数料や諸費用にも注意を払う必要があります。借り換え時に発生する手数料や諸費用は、合計で数十万円に上ることもあるため、それらを考慮してメリットがあるかを確認しましょう。
手数料や費用についての詳細
住宅ローンの借り換えとは、金利を下げたり、返済条件を改善したりすることで、総返済額を減らすための有効な手段です。しかし、借り換えにはさまざまな手数料や費用が発生するため、それらを十分に理解しておくことが重要です。ここでは、住宅ローンの借り換えに伴う手数料や費用の詳細について説明します。
1. 事務手数料
事務手数料は、借り換え先の金融機関が借入手続きを行う際に発生する費用です。事務手数料は金融機関ごとに異なりますが、一般的には借入額の1%~2%がかかることが多いです。また、定額制で数万円程度に設定される場合もあります。借り換えを検討する際には、事務手数料が返済総額にどれだけ影響するかをシミュレーションして、負担を軽減できるか確認することが重要です。
2. 登記費用
住宅ローンの借り換えを行う際には、物件の抵当権の変更手続きが必要です。この際に発生するのが「登記費用」で、登記に関連するさまざまな手続きを行うための費用がかかります。具体的には、抵当権の抹消登記費用や新しい抵当権設定登記費用が発生し、これには司法書士に依頼することが一般的です。
- 抵当権抹消登記費用
旧住宅ローンの抵当権を解除するための費用です。通常、数千円から1万円程度の費用がかかります。 - 新しい抵当権設定登記費用
新しいローンに対して物件に抵当権を設定するための費用で、こちらも数万円の費用が発生します。
3. 司法書士報酬
登記に関連する手続きを行う際、司法書士に依頼することがほとんどです。司法書士の報酬は、登記費用とは別に発生し、通常は2万円~10万円程度が一般的です。司法書士報酬も、登記の内容や地域、司法書士事務所によって異なるため、事前に見積もりを取っておくと安心です。
4. 保証料
住宅ローンの借り換えに伴い、新たに保証会社を利用する場合は、保証料が発生します。保証料は、借入金額や返済期間によって異なり、借入額の0.1%~2%がかかることが一般的で、金利に上乗せして支払うケースも多いです。一方で、保証会社を利用しないプランも存在するため、借り換えを検討する際には、その違いも確認しておくことが大切です。
5. 印紙税
借り換えの際に新たに契約書を作成するため、「印紙税」がかかります。印紙税は契約書に貼る印紙の費用で、借入金額に応じて変動します。一般的には、借入金額が1,000万円以上であれば1万円、5,000万円以上であれば2万円の印紙税が必要となります。
借入金額 | 印紙税 |
---|---|
1,000万円未満 | 1万円 |
5,000万円未満 | 2万円 |
1億円未満 | 6万円 |
6. 一部繰り上げ返済の手数料
現在の住宅ローンを繰り上げ返済してから借り換える場合、一部の金融機関では繰り上げ返済手数料が発生することがあります。この手数料は、金融機関によって無料のケースもありますが、有料の場合は数千円から数万円かかることがあります。特に、固定金利型のローンを借り換える際には、注意が必要です。
7. その他の費用
その他にも、借り換え手続きに伴う小さな費用が発生する場合があります。例えば、再審査の際に発生する収入証明書の発行手数料や、物件評価証明書の発行費用などです。これらは大きな金額ではありませんが、複数の手続きが重なると費用が増えるため、注意が必要です。
住宅ローン控除と借り換えの関係

住宅ローンの借り換えとは、金利や返済条件を見直すための手段ですが、住宅ローン控除も重要なポイントです。
借り換えを行っても、住宅ローン控除の適用は原則として引き続き受けられます。ただし、借り換えによって新たに控除期間が延びるわけではなく、元のローン期間に基づいて適用されます。借り換えのタイミングが適切であれば、金利上昇のリスクを避けつつ、控除のメリットも維持できます。
住宅ローン控除はどう変わるのか?
住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高の一定割合を所得税や住民税から控除する制度で、控除を最大限に活かすためには借り換えによる影響を把握することが重要です。
1. 住宅ローン控除の基本
住宅ローン控除とは、住宅ローンの借入残高に応じて一定額を税額から控除できる制度です。初めて住宅ローンを組んだ際には、最大10年間、年末時点の住宅ローン残高の1%を所得税から控除できます。さらに、条件によっては控除期間が13年間に延長されるケースもあります。
項目 | 内容 |
---|---|
控除期間 | 10年間(特定条件で13年) |
控除率 | 借入残高の1% |
控除額上限 | 年40万円(認定住宅なら50万円) |
2. 借り換えによる住宅ローン控除の影響
住宅ローンの借り換えを行っても、控除自体が無効になるわけではありません。国税庁のガイドラインによると、借り換えによっても、基本的に住宅ローン控除は引き続き適用されます。ただし、借り換えによって新たに控除期間が延びることはなく、元のローン期間に基づいて控除が継続されます。
3. 借り換え後の条件に応じた控除額の変動
住宅ローンの借り換えとは、新しい金利や返済条件に基づくものですが、借り換えによって残高や返済期間が変わると、控除額にも影響を与えることがあります。特に、残高が大幅に減少した場合、控除額も減る可能性があります。
また、控除額の上限は借り入れ条件によって異なるため、借り換えによって条件が変わる場合は、控除額の上限にも変動が生じることがあります。例えば、認定住宅の借り換えを行った場合、控除額の上限は通常の住宅ローンよりも高くなります。
4. 国税庁による確認事項
住宅ローンの借り換えを行う際には、国税庁が示す基準に沿って控除が適用されるかどうか確認することが重要です。国税庁のホームページでは、住宅ローン控除に関する詳細な情報や要件が提供されており、特に以下の点に注意が必要です。
- 借り換え後のローンが、当初のローンと同じ「住宅の取得や改修」のために使用されていること
- 借り換え後のローンが10年以上の返済期間を有すること
これらの要件を満たしていない場合、借り換え後に控除が適用されなくなる可能性がありますので、借り換え前に確認が必要です。
5. 借り換えによるメリットと控除のバランス
借り換えによって金利が下がり、毎月の返済額や総返済額が減ることが大きなメリットです。しかし、控除額も住宅ローンの残高に基づいて決定されるため、借り換えによって残高が減少すると、控除額も減少する可能性があります。このため、借り換えによる利息の節約効果と控除額のバランスを考慮することが重要です。
たとえば、借り換えによって総返済額が大幅に減少する場合は、控除額の減少分を上回るメリットが得られる可能性があります。一方で、控除が減ることで、借り換えのメリットが小さくなる場合もあるため、シミュレーションを行い、借り換えによるトータルのメリットを見極めることが大切です。
まとめ

住宅ローンの借り換えは、返済負担を軽減する大きなチャンスです。金利の変動や手数料、借り換えのタイミングなどを十分に考慮することで、最適な選択を行うことができます。
しかし、借り換えには手数料や手続きに時間がかかることもあり、慎重な検討が必要です。将来の金利上昇リスクを回避し、家計を安定させるためにも、しっかりとシミュレーションを行い、賢い判断をしましょう。
ご自宅の買い替えや、相続した家の売却時には、なるべく高く、早く、非公開でも売却ができるプロレバ不動産へご相談ください。