マンションの売却は人生を左右するほどの大きなイベントであるため、失敗しないかと不安に思っている人も多いはずです。
マンション売却の失敗事例は大きく3つの傾向に分けられます。売却収支の失敗、不動産会社とのコミュニケーション不足による失敗、買主とのトラブルによる失敗です。
どのようなケースで失敗が起こりやすいのかを知っておけば、損失を未然に防げます。
本記事ではマンション売却で起こりやすい失敗例を紹介し、失敗回避の対策について解説します。
マンション売却の失敗には傾向がありますか?
マンション売却の失敗には傾向があり、大きく3つに分類されます。1つ目は売却収支での失敗、2つ目は不動産会社とのコミュニケーションでの失敗。3つ目は買主とのトラブルでの失敗です。
多くの人がマンション売却で望んでいることは何ですか?
多くの人がマンション売却で望んでいることは、なるべく早期に高い価格で売却することです。しかし、マンションを高い価格で売却するにはある程度の販売期間が必要なため、両方を実現することは難易度が高いです。
マンション売却で売主が買主に負う責任はなんですか?
マンション売却で売主が買主に負う責任は、契約不適合責任です。物件の不具合が売却後に発覚し、売主が知らなかった欠陥だったとしても、物件に対して責任を負わなければいけません。
【要注意!】マンション売却時の税金は〇〇だと思え!流れと注意点を解説
マンションの売却収支に関する失敗
マンションの売却には、売り出し価格の決定や販売戦略、想定外の経費発生など失敗の要因が多く潜んでいます。
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売り出し価格の失敗
マンションの売り出し価格が高過ぎて思うように売却できず、あせって安値で売却してしまう失敗が多く発生しています。
高い査定額にひかれ不動産会社を選んだ結果、実際はその査定額の根拠が薄く高値で販売を開始したものの、買い手が長い間つかないことがあります。このケースは不動産会社に査定の根拠をしっかり確認せず、意思疎通が足りないことで起こる失敗です。
値下げを行えば、その分資金計画に誤差が生じてしまいます。また、マンションが売れず資金調達期限がせまると、買い手に主導権を握られてしまうかもしれません。
売り出し前に同じエリアにある類似物件の価格について調べておくと、相場と価格のズレが小さくなり売却収支での失敗防止につながります。
【マンション売却時の販売価格・成約価格の乖離率】
5%以内 | 74% |
6%~10% | 17% |
11%~15% | 5% |
16%~20% | 0% |
21%以上 | 4% |
(すまいステップ2022年不動産売却に関するアンケートを参考に作成」)
売り出し方法の失敗
マンション売却で重要なのが売り出し方法です。
マンションを売り出す際、魅力的な画像が使われていなかったり、suumoやレインズマーケットインフォメーションなどのメジャーな媒体に掲載されていなかったりなどの販売戦略の問題で、売却のチャンスを逃してしまう失敗が起こっています。
住み替えなどで新居の購入計画を同時に行っている場合は、思うように売却できないと全体のスケジュールに不都合が生じます。
このような失敗を防ぐためには媒介契約を結ぶ不動産会社を検討するときに、その会社が売り出している物件がどのような販売戦略をとっているかを調べておかなければいけません。
不動産会社が効果的な販売を行っているかを判断するポイントは以下の3つです。
- suumoに物件を掲載している
- レインズマーケットインフォメーションに物件を掲載している
- 情報媒体に魅力的な物件の写真を掲載している
これらを確認し、熱心に売却を行う不動産会社かどうかを判断すると失敗の回避につながります。
なお、マンションの売り出しから成約までの期間は、4分の3の人が6か月以内に成約しています。
【マンションの売り出しから成約までの期】
1カ月以内 | 12% |
3カ月以内 | 42% |
6カ月以内 | 22% |
1年以内 | 18% |
1年半以内 | 4% |
2年以内 | 2% |
それ以上 | 0% |
(「すまいステップ2022年不動産売却に関するアンケート」を参考に作成」)
税金や経費の失敗
税金や経費の想定に問題が起きてマンションの売却後に計算外の出費があり、収支が狂ってしまうケースがあります。
マンションを売却し売却益が出た場合は、確定申告前に以下の点を確認して失敗を防ぎましょう。
- 納税は発生するのか
- 納税額はいくらになるのか
また、住み替えなどで住宅ローン残債の支払い方法によっては、売却する物件と新しく購入した物件の返済が重なってしまい、収支が一時的に苦しくなってしまうこともあるので注意が必要です。
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マンション売却における不動産会社とのコミュニケーションに関する失敗
マンションの売却において、売却を任せる不動産会社とのコミュニケーションは重要です。
不動産会社の選択
マンション売却の失敗で多いのは売却があまり得意ではない業者を選んでしまったため、思うように進まなかったというケースがあります。
不動産会社にはおのおの得意とする分野があり、売却より買取に強みを持っていたり、マンションより戸建ての売却に高いノウハウを持っていたりとさまざまです。不動産会社が取り扱っている物件や成功事例、対応エリアなどを会社概要で確認して検討すると、不動産会社選びでの失敗を防止できます。
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売却方法選定の失敗
マンションの売却方法は、必ずしも仲介による売買がベストの方法とは限りません。仲介による売却では「早く現金化したい」「売っても住み続けたい」「競売は避けたい」などのニーズが実現できない場合があります。
そこで仲介以外にも以下の売却方法を検討しましょう。
- 買取
- リースバック
- リバースモーゲージ
不動産会社にマンション売却の目的をしっかり伝え、何が最も適している方法なのか相談しましょう。
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買取
買取は不動産会社が直接買い取る方法で、仲介での売却よりも早い現金化が可能です。仲介手数料がかからないメリットもあります。
買取価格は不動産仲介の売却価格の70〜80%が目安です。
リースバック
リースバックは不動産会社が物件を売却したあと、賃貸契約を結びそのまま住み続けられる方法です。
リースバックで買い取られた物件は家賃収入による投資目的で運用されるため、相場より買取価格は低く抑えられ、家賃は高く設定されるのが一般的です。
リバースモーゲージ
リバースモーゲージは物件を担保にまとまった融資を受け、老後の生活費に当てられる仕組みです。
亡くなったあとに物件を売却して清算します。
リバースモーゲージは融資であるため審査があり、対象も都市部にある価値の高い物件に限られます。
コミュニケーション不足の失敗
不動産会社の担当者は、マンション売却において同じ目的をもったパートナーです。不動産会社の担当者とはしっかりとコミュニケーションをとり情報共有を密にして、高値で満足のいく売却を実現しましょう。
少なくとも以下の3点で不動産会社の担当者と意思疎通をはかっておかないと、うまく売却がすすまないケースがあります。
- 売却する物件の情報
- 売却活動の状況
- 売り主関係者(権利者)の意見調整
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売却する物件情報の共有
マンションを高値で売ろうとしてマンションの不具合を隠して売却すると、売却後トラブルになることがあります。そのため、売却後のトラブルの回避や不具合の対応策を検討してもらうために、物件のメリットとデメリットは不動産会社の担当者に包み隠さず伝えましょう。
また、マンション売却の理由が離婚や借金の返済など打ち明けにくいものであっても、不動産会社の担当者と共有しておくと、理由を考慮した売却戦略を立案してくれます。
さらに、売却するマンションのローン残債も伝えておくと、売却価格がローン残債を下回らないように売却をすすめてくれるのです。
不動産会社の担当者には不都合な情報ほど、しっかり話しておくとマンション売却の失敗を防げます。
売却活動の状況
不動産会社から受け取る営業活動報告書には、販売活動の内容や買主からの反応が記載されています。不動産会社と専任媒介契約を結んだ場合は、報告書による販売活動の状況説明があるのです。
不動産会社による営業活動報告書は媒介契約の種類によって報告ペースが異なります。
【媒介契約種別 業務報告書の提出ペース】
専属専任媒介契約 | 1週間に1回以上 |
専任媒介契約 | 2週間に1回以上 |
一般媒介契約 | 報告の義務なし |
営業活動報告書にはしっかりと目を通し、疑問点などがある場合は積極的に質問しましょう。
売主関係者(権利者)の意見調整
相続や離婚などでマンションを売却する場合は、複数の権利者がいるため不動産会社に意見の調整をサポートしてもらいましょう。不動産売却の専門的な知見から売却価格の提案を受けられるので、権利者同志の合意形成に役立ちます。
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マンション売却における買主との取引に関する失敗
マンション売却では買主との間でトラブルが発生することがあります。
内見時の失敗
購入希望者が内見に訪れたとき部屋をきれいに片づけておかなかったことで、物件の印象が悪く成約に結びつかないことがあります。内覧では掃除や片付け、換気や彩光などにも気を使い、よい印象を与えられるように配慮してください。
また、内覧に訪れた購入希望者に有効な情報を伝えられず、印象を悪くしてしまうこともありがちな失敗です。内覧を受ける際は、不動産会社の担当者と事前に打ち合わせをして、来訪者の質問に答えられるよう準備しておきましょう。
値引き交渉の失敗
買主からの値引き要請に対して、いくらまで値引き対応をするのかを事前に決めていなかったため、価格交渉がうまくできず成約にいたらなかったという失敗は多くあります。事前に値引き幅を決めておいたり、値引きの代わりに費用負担のウエイトを変えたりなどの対応策を事前に練っておけば、売主のペースで価格交渉がすすめられるのです。
また、売却開始直後は購入希望者がどのくらい訪れるのかわからず、あせって多めの値引きに応じてしまい安値で売却してしまう失敗をよく見かけます。
そのような失敗を防ぐためにも、値引き幅や、値引き以外の対応方法を事前に決めておくと、失敗を回避できます。
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売却後トラブルの失敗
物件に不具合がある場合は、事前に買主に伝えて了承の上物件の契約を結ばないと、売主は契約不適合責任を問われ損害賠償を請求される可能性があります。時間と労力をかけて売買を成立させたのに、売却後にトラブルが発生するとストレスや出費で疲弊してしまうかもしれません。
売却後のトラブルを避けるためにも不具合を買主に伝えて納得の上契約を結ぶか、インスペクションを実施して物件の状況調査をもとに、買主に現状の物件状況について確認してもらうことが必要です。
なお、インスペクションとは建築士の資格を持つ検査員が行う住宅の現状検査のことです。
インスペクションを行った物件を売買する場合は、不動産会社が買主に重要事項説明を行う中で検査結果を伝える義務が発生します。さらに、売買の契約時には、住宅の状況について双方が確認したことを記載した書類の発行が義務付けられています。
マンションが「なかなか売れない」と感じたときはどうすればよいですか?
マンションが思うように売れないときは、まず不動産会社に相談してください。マンション売却の専門家からアドバイスを受けることで、現状を打破する方法が見つかるかもしれません。また、マンションの売り出し価格が、相場に対してズレていないかも合わせて確認するとよいでしょう。
購入希望者に値引き交渉をせまられたときのためにどのような準備が必要ですか?
購入希望者から値引き交渉をせまられたときのために、事前に値下げ幅を決めておきましょう。また、値下げ以外の方法も考えておくと、売主側が価格交渉で主導権を握れる可能性があります。
インスペクションにはどのようなメリットがありますか?
インスペクションには売却後に買主とのトラブルを防ぐメリットがあります。建築士の資格を持つ専門の検査員が住宅の現状を調査し、売買契約時にインスペクションの報告書を売主と買主の双方で確認する義務が発生します。
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また、宅建資格等の資格保有者である専任の「買取アドバイザー」が、税金・法律・売却価格の面で最適な売却を提案するので、納得のうえでスピーディーにマンションを売却可能です。
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